Genspark AIシートを使うメリットとデメリットを実体験で語る|ExcelマクロやスプシGASと似た処理をノーコードで実現

こんにちは。AIで勘違いして何でも作ってみる部です。

「AIがExcelの作業を全部やってくれる」なんて聞くと、心が躍りませんか?私もそんな一人でした。

一方で「このAIが凄い!」的なニュースにも飽きてきてはいて😅 まぁ凄いけど使えないところもあるんだろうなぁ、とちょっと斜めに見ていました。

そんな目線ですが、実際に「できると勘違い」してGensparkAIシートを触ってみました。実際に使ってみると、いいところもたくさんありますが、やはり想像していた世界とは少し違う現実も待っていました。

今回は、話題のGenspark AIシートを実際の業務を想定して使い続けてみて分かった「本当のところ」をお話ししたいと思います。きっと皆さんも「導入してみたいけど、実際どうなの?」「本当に時間短縮になるの?」と気になっているはず。

そんな疑問に、失敗談も含めて正直にお答えしていきますね。一緒に、AIツールとの上手な付き合い方を考えていきましょう。

目次

なぜGenspark AIシートに注目したのか?~働き方の悩みから始まった~

正直に言うと、最初は半信半疑でした。「またAIツールか…」なんて思っていたんです。ですが「何でもできると勘違い」する部活なので、きっとなんかできるだろう!と勘違いしてみるところからスタートです。

でも、Genspark AIシートについては「Excel・スプレッドシートの革命」という触れ込みが気になっていました。データ分析の作業って、どうしても時間がかかるし、同じような作業を何度も繰り返すことが多いですよね。もしこれが本当に効率化できるなら、試してみる価値があるかもしれません。

そこで、できるだけ客観的に検証してみることにしました。今回の検証では、以下のような実際のデータを使用しています:

特に困っていたのは、こんな状況でした:

  • 各支店から送られてくるExcelファイルの形式がバラバラ
  • グラフを作っても「もっと見やすくできない?」と修正依頼の連続
  • POSデータ(100行×3ファイル)
  • 大量のデータが送られてきて中身を理解するのが大変…

実際の業務に近い状況で「とりあえず触って」出来ることを見極めてみようと思います。

結論:Genspark AIシートの「5つのポイント」

色々と検証した結果、Genspark AIシートで5つの重要なポイントが見えてきました。これらは、実際に使ってみて初めて分かった「リアルな実感」です:

◎ すごく良い点

  1. 大量データの全体像把握が一瞬でできる
  2. データ統合作業や初期的な列・行の削除や処理が楽
  3. 視覚化の修正指示が直感的

△ 注意が必要な点

4. 分析の繰り返し作業には処理速度が課題
5. 分析軸を考える力がないと意味不明な資料ができる

実際に使ってみて思ったのは確かに便利なところはある。特に処理内容がPythonのようなので、やりたい処理内容が明確な時には自分でマクロを組むよりは、具体的な処理内容を指示することで、Genspark側がPythonを組んでくれるので楽です。

自分でマクロを組んでVBAコード書くとデバックしないといけないし、そもそもコードが書けないといけないとか大変なことも多いですよね。

GensparkAIシートは「これをやりたい」と指示すれば、その処理に合わせたPythonを組んで、結論を持ってきてくれるのでコードを覚えたり・書いたり・デバックしなくていいのは、本当に便利です。

一方で、分析軸ややりたい内容が明確でない時には不便さもあると思いました。

今回は、そんな使っていて感じた課題も含めて、バランス良くお伝えしていきたいと思います。一つずつ、詳しく見ていきましょう。

検証で分かった「5つの重要なポイント」

約3週間かけて様々な角度から検証した結果、Genspark AIシートについて5つの重要なポイントが見えてきました。これらは、実際に使ってみて初めて分かった「リアルな実感」です。

項目従来の方法Genspark AIシート
作業手順1. Excelを開いて中身を確認
2. 項目をチェック
3. 数値の範囲や傾向を把握
4. ピボットテーブル作成
5. グラフを作って視覚化
「このデータの全体像を把握できるようにWEBページで視覚化して」と指示するだけ
所要時間1-2時間数分
作業への集中度手作業に集中し続ける必要指示後は他の作業が可能
出力結果基本的なグラフ・表HTMLレポート + 考察付き

Genspark AIシートで自動生成された内容:

  • データの基本統計情報(平均値、最大値、最小値など)
  • 月別売上推移のグラフ
  • 商品カテゴリー別の構成比
  • 地域別売上分析
  • 成長率の可視化

しかも、ただグラフを作るだけじゃないんです。「このデータから読み取れるポイント」として、売上の季節性や成長している商品カテゴリーなどの考察まで自動で追加してくれました。

これまでExcelでピボットテーブルを作ったり、グラフを一つ一つ設定したりしていた作業が、本当に一瞬で終わる感覚です。データ分析の最初の壁って「結局このデータから何が言えるの?」という部分だと思うんですが、その壁をAIが一気に壊してくれる印象でした。

ただし、これで分析作業が丸投げできるかというと、そんなことはありません。これは実務をやっている人ほど分かっていただけると思います。分析軸や分析シナリオの仮説精度を上げるために、まずは全体感を把握したい。そういうニーズに対して、「一旦データを渡しておいて視覚化してもらう」という使い方は、本当に便利だと感じました。

【ポイント②】データ統合作業の楽さ~コード不要で複数ファイルを統合~

これも結構ポジティブな驚きでした。複数のCSVファイルをアップロードして、「共通のキーで統合して」と日本語で指示するだけで、データベースのJOIN操作みたいなことができちゃうんです。

実際の検証では、POSデータの3ファイルを集約してもらいました。さらに指定したデータを抽出したり、金額を千円単位にしたり、データ統合と同時に簡易的な処理もお願いしてみました。実務では、そういうデータの統一的なクレンジングができると後続の分析がかなり楽になりますよね。

「1行目のカラムはファイルAのみ残して、ファイルBとファイルCは2行目以下のデータを元ファイルのデータが入っている一番下の行の1つ下の行から追加してください」という、かなり具体的な依頼もしてみました。これは共通のIDでVLOOKUP等を使って処理することもできる内容です。

1列2列ならいいのですが、システムから抽出した複数のファイルを統合することって、大きな会社だと結構あると思うんです。例えば1Q~4Qまでで、四半期毎の売上データを集約して年間の売上にするといった作業ですね。

従来なら一つ一つファイルを開いて転記していた作業が、Gensparkに添付して「集約して」で集約できるのは、本当に便利だと思います。

特に次の観点が良いと感じました:

  • 複数ファイルを開いて→転記して→閉じてを繰り返さない
  • マクロにするにしても関数を書かない≒デバックがいらない
  • Gensparkに作業させている間は他の作業ができる

特にGensparkに任せている間に他の作業ができる、専門的な知識(VBAコード等)がいらないというのは、とても便利だと思います!

【ポイント③】視覚化の修正を直感的にできる~専門知識不要で微調整~

これはChatGPT等でもできていた機能ですが、Gensparkでもできて便利だった点です。作られたグラフを見て「この色を変えたい」「この項目を追加したい」と思った時の修正の仕方が、とにかく直感的なんです。

実際の修正プロセス: 三幸エステート社が出しているオフィスビルの空室率等の調査データでレポートを作成した時のことです。最初に生成されたグラフは機能的には問題なかったのですが、プレゼン用に見た目を調整したくなりました。

三幸エステートさんの空室率のレポートを出してもらうとかなり見栄えの良いレポートに仕上げてくれました。

でも、このグラフが凄いというよりも、修正依頼を直感的に専門的な知識を使わずにできるのが「便利!」と思ったんです。

修正の手順:

  1. 生成された表やグラフをスクリーンショット
  2. Gensparkにスクショを貼り付けて修正内容を指示
  3. 5分後に修正版が完成

例えば「東日本大震災の欄の『大規模ビル賃料』と『全体賃料』の箇所をリーマンショックやCOVID19と同じような箇所で薄い黄色背景色に変更してください」という依頼をしました。

これをExcelやパワポで修正しようとすると、「どこをクリックして、どのメニューから…」と迷うことがありますが、Gensparkなら「普通に話しかける」だけで修正できます。

Excelやパワポの知識が不要で、変更箇所はスクショで撮って、どう変更したいかを「専門用語無し」で依頼できるのが便利だなと思います。職場で上司から「このグラフ、もう少し見やすくできない?」と言われた時の対応が格段に楽になりそうです。

【ポイント④】繰り返し分析には処理速度が課題~ここは正直厳しい現実~

ここからは、使っていて「うーん…」と感じた部分です。正直に言うと、これが一番のネックかもしれません。

データ分析って、実際には「仮説→分析→結果確認→新しい仮説→再分析」という繰り返しですよね。でも、Gensparkは一回の分析に3-10分かかることが多くて、この繰り返しにはちょっと向いていない印象です。

具体的な課題の例: 売上分析をしていた時のことです:

  • 第1ラウンド:「売上を地域別で見たい」→ 5分待ち
    • 結果を見て興味深い傾向を発見
  • 第2ラウンド:「今度は商品別で見たい」→ また5分待ち
    • さらに詳しく見たくなって
  • 第3ラウンド:「期間を前年同期と比較して見たい」→ また5分待ち

チョットした修正でも毎回、Gensparkの処理を待たないといけません。ある程度、修正箇所が具体的になっている時は、普通にExcelでピボットテーブルを使えば、同じ分析を3分で終わらせられる場合もあるので、「試行錯誤しながら分析を深めていく」という用途には、現時点では限界があります。

特に、クライアントとの打ち合わせ中に「ちょっとこの条件で見てみてもらえる?」と言われた時は、さすがに15分待ってもらうわけにはいきませんよね。

この辺りは、Excelの「すぐに結果が見える」という強みが際立つ部分かもしれません。処理速度の改善は、今後のアップデートに期待したいところです。

【ポイント⑤】分析軸を考える力がないと意味不明な資料に~人間側のスキルが重要~

これが一番重要な発見かもしれません。Gensparkは確かにすごいツールですが、「何を分析したいか」「どういう視点で見たいか」を明確に指示できないと、なんとなくキレイだけど「で、何が言いたいの?」という資料ができあがってしまいます。

失敗例: POSデータ分析で全体の傾向は分かった後、深掘りとして一番売れている「おにぎり」が、どこの地域で、どの決済方法で売れているのかを知りたいと思いました。

最初の分析では全体傾向は分かったけれど、「おにぎり」はどこのブランドでどこの地域で、誰にいつ買われているのか?が分からない状態でした。

次のような疑問がわいてきます:

  • どういうキャンペーンがいいの?
  • どの地域の売上をどれぐらい上げられそう?
  • ピーク時間帯に合わせた在庫管理ってできてる?

要は、キレイなグラフなんですが、「それで?」という状況なんですよね。ビジネスとしてどう活用すべきかが見えてこないんです。

成功例: その後、指示の仕方を変えてみました。「『おにぎり』はどこのブランドでどこの地域で、誰にいつ買われているのか?を順番にクロス集計して、どこに何をしたらいいか示唆と共にグラフ化して」と依頼したら、データを更新してくれました。

この指示で分析してもらったところ:

  • おにぎりが最も売れている地域
  • おにぎりが売れている曜日
  • おにぎりが売れているピーク時間分析
  • 売れているおにぎりのブランド

このように「おにぎり」を軸に、クロス集計をして視覚化してくれるようになりました。もちろんさらにAnd条件でクロス集計することもできます。

ただ「そういう分析ができる」という想定がないと、クロス集計をするという発想がないので、Gensparkに指示できない(または時間がかかる)かなと思います。

つまり、Gensparkを使いこなすためには、「データから何を読み取りたいか」「どういう仮説を検証したいか」「最終的に何に使いたいか」を明確に言語化するスキルが必要だということが分かりました。

これは逆に言うと、普段から「なぜこの分析をするのか」「何を明らかにしたいのか」を考えて仕事をしている人には、とても強力なツールになるということでもあります。

他のAIツールとの比較~実際に使い比べてみました~

「ChatGPTやClaudeでも似たようなことできるのでは?」と思って、同じデータで比較してみました。これも重要な検証ポイントでしたので、詳しくお伝えしますね。

項目ChatGPT(GPT-4)Claude(Opus)Genspark AIシート
データ読み込み精度△(時々エラー)
分析の質
視覚化△(基本的なグラフのみ)△(文字化けあり)◎(HTMLレポート生成)
処理速度
特徴素早い分析が得意バランス型だが安定性に課題包括的なレポート作成が得意

ChatGPTは処理速度が速く分析の質も高いのですが、視覚化の部分で物足りなさを感じました。基本的なグラフは作ってくれますが、見た目の美しさやHTMLレポートのような包括的な資料作成は苦手な印象です。

Claudeはバランスが良いのですが、データの読み込みで時々エラーが発生することがありました。安定性の面では、やや不安があります。

結論として、「総合的なレポート作成」ならGenspark、「素早い分析」ならChatGPTという使い分けが良さそうです。それぞれに得意分野があることが分かりました。

実際にGensparkが向いている人・場面とは?

これまでの検証を踏まえて、私なりの「向いている人・場面」をまとめてみました。導入を検討されている方の参考になれば嬉しいです。

向いている人・場面

◎ 大量データの初期把握

  • 「とりあえず、このデータで何ができそうか見たい」
  • 「データの全体像を素早く把握したい」
  • 「上司に報告するための概要資料を作りたい」
  • 「新しいデータセットを受け取った時の最初の分析」

◎ データ統合・整理作業(簡易マクロ的な使い方)

  • 「複数のExcelファイルをまとめたい」
  • 「データクレンジングをお任せしたい」
  • 「関数やマクロは苦手だけど、データは活用したい」
  • 「異なる形式のデータを統一したい」

◎ 一発完結型の分析

  • 「月次レポートのようなルーティン分析」
  • 「決まった形式での分析資料作成」
  • 「プレゼン用の見栄えの良い資料が欲しい」

注意が必要な場面

△ 試行錯誤が必要な深掘り分析

  • 「仮説検証を繰り返したい」
  • 「リアルタイムでグラフを調整しながら考えたい」
  • 「クライアントとの打ち合わせ中の即席分析」

△ 分析軸が明確でない探索的分析

  • 「何を分析すべきかわからない」
  • 「データを眺めながら発見したい」
  • 「とりあえず触ってみたい」

実際のGensparkの処理は、指示した分析に合わせてPythonを組んでいるようなので、だいたいのことはできると思います。ただ、なんでもできるからこそ、何をしたいかを人間側が指示できることも大事だなと思います。

私の結論:使い方次第で化ける可能性大

正直に言うと、Genspark AIシートは「万能ツール」ではありません。でも、適切な場面で使えば、確実に業務効率を向上させてくれるツールだと感じました。

特に、「分析はしたいけど、技術的なハードルが高い」と感じている人には、新しい可能性を開いてくれる存在になりそうです。

私のおすすめ活用法

段階的な使い分け:

  1. 初期分析はGenspark → データの全体像把握、統合作業
  2. 詳細分析はExcelやスプシ → 試行錯誤しながら深掘り
  3. 最終資料化はGenspark → 見栄えの良いレポート作成

この使い分けができれば、それぞれのツールの良さを最大限に活かせると思います。

さらに発展形として、GensparkはAPI連携ができるので、GAS等とつないで毎月決まった処理をGensparkに自動実行してもらうような使い方も便利だろうなと思います。

最後に:AIツールとの付き合い方を一緒に考えませんか?

Genspark AIシートを検証していて感じたのは、「AIツールは使う人次第で全然違う結果になる」ということです。

魔法の杖ではないけれど、使い方を理解して適切に活用すれば、確実に私たちの仕事を楽にしてくれる。そんな存在だと思います。

重要なのは、「AIに何をやらせたいか」を明確にすること。そして、「人間がやるべき部分」と「AIに任せる部分」を適切に分担することです。

これからのAIツール活用のポイント:

  • 完璧を期待せず、得意分野を理解して使う
  • 明確な指示を出せるよう、自分自身の分析スキルも磨く
  • 複数のツールを使い分ける柔軟性を持つ
  • 処理速度とクオリティのバランスを考える

皆さんも、もしGenspark AIシートを試してみる機会があれば、今回お話しした5つのポイントを頭に置いて使ってみてくださいね。そして、実際に使ってみた感想があれば、ぜひコメントで教えてください!

一緒に「AIで勘違いして何でも作ってみる」体験を共有していきましょう。AIツールの可能性を探りながら、より良い働き方を見つけていけたら嬉しいです。

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